前回の
の続きから訳していきます。
Alice was beginning to get very tired of sitting by her sister on the bank, and of having nothing to do: once or twice she had peeped into the book her sister was reading, but it had no pictures or conversations in it, `and what is the use of a book,’ thought Alice `without pictures or conversation?’
`and what is the use of a book,’ thought Alice `without pictures or conversation?’
《「となると、この本は何の役に立つんだろう?」とアリスは思いました。「イラストも会話文もないのにね」》
「’」は引用符ですね。
「”」の方をよく見ますが、
私が読んでいたサイトの文章はなぜか「’」でした。
(本の方は「”」ですけどね)
これは「アメリカ式『”』かイギリス式『’』か?」の違いだけみたいなので、
特に気にしなくても良さそうです。
引用符も調べてみると、
ちょっと奥が深そうなので
いずれ記事にしたいなーと思います。
ですが、とりあえず引用文は会話文なので、
そのまま会話文として進めていきます。
…会話文というよりも、アリスが口に出さずに思ったことですね。
`and what is the use of a book,’
《「となると、この本は何の役に立つんだろう?」》
会話文(思ったこと)なのにいきなり
andから始まってる?
と、正直ちょっと混乱してしまいました。
このandは、前の文からの繋ぎとして使われているんでしょうね。
but it had no pictures or conversations in it
《その本にはイラストも会話文も載っていなかった》
これがandで繋がっているかと思います。
文章なので繋がっているのがなんとなくでもわかりますが、
実際の会話でいきなりandから切りだされても、
正直戸惑ってしまいますけどね…。
超能力者じゃないので
あなたが考えていたことなんてわかりません…という。
実際の会話でもこういう切り出し方あるのかな?
ちょっと疑問になってしまいました。
と、話がずれてしまいましたので、戻します。
`and what is the use of a book,’ thought Alice `without pictures or conversation?’
《「となると、この本は何の役に立つんだろう?」とアリスは思いました。「イラストも会話文もないのにね」》
会話文の間に
thought Alice
とあります。
これは
早めに誰が話しているのか知りたいよね?
という配慮のようなものです。
日本語だった語尾とか話し方で誰が話しているのか、大体はわかりますが、
英語はあまり変わらないので、
早めに誰が話しているのか提示するんでしょうね。
ただ、その配慮をするために、
文が途中で切れてしまっています。
本来の会話文は、
`and what is the use of a book without pictures or conversation?’
《「となると、イラストも会話文もないのにこの本は何の役に立つんだろう?」》
となるかと思います。
これでちゃんとwhatから始まる疑問文にすることができますねっ!
そして名詞ですが、
the use of a book
のuseは名詞です。
(theもついていますし)
ただこのuseですが、
動詞でも基本は「使う」ですし、
名詞でも「使用」という意味が
先に出てくるかと思います。
ですが、本来のuseのイメージって
「役に立つ」の方だと思っています。
役に立つからこと使おうとするわけですし。
なので、
what is the use of a book
は、《この本は何に使うんだろう?》
でも意味は大体わかりますが、
《この本は何の役に立つんだろう?》
と訳してしまった方が自然に感じます(*´▽`*)
without pictures or conversation?
《イラストも会話文もないのに》
に関しては、
withoutがあるので、
《イラストも会話文もない》としていますが、
ここでちょっとorについて見ていきたいと思います。
《イラストも会話文も》と続くと、
日本語だけで考えると
orよりもandの方が適切な気がしてしまいます。
ですが、英語の場合は
『肯定文』
I like meat and fish.
《お肉もお魚も好きですよ》
『否定文』
I don’t like meat or fish.
《お肉もお魚も好きではないですよ》
と、肯定文か否定文かで
使うものが変わってしまいます。
日本語で考えてしまうと混乱してしまうものって
結構ありますよね、ほんとε=(・д・`*)ハァ…
これらを踏まえた上で訳すとなると、
`and what is the use of a book,’ thought Alice `without pictures or conversation?’
《「となると、この本は何の役に立つんだろう?」とアリスは思いました。「イラストも会話文もないのにね」》
という訳よりも、日本語としては、
`and what is the use of a book,’ thought Alice `without pictures or conversation?’
《「となると、イラストも会話文もないのにこの本は何の役に立つんだろう?」とアリスは思いました》
と、会話文を続けてしまった方が、
自然な気がします。
なので、これからこのような形が出てきたら、
会話文を続けてしまおうと思っています。
そちらの方が読みやすいので。
実際《アリスは思いました》というのは、
なくても大体はわかると思うので、
訳し忘れてもそこまで影響はないかな、
なんて思っています。
たくさんの登場人物が出てきたら、
誰が話しているのかさっぱりですが、
まだアリスとアリスのお姉さんだけしか出てきていないですし、
アリスのお姉さんが会話しそうな雰囲気は
一切出ていませんからね…。
と、一応これで今回の和訳はおしまいなのですが、
ちょっと気になる部分があります。
`and what is the use of a book,’ thought Alice `without pictures or conversation?’
《「となると、イラストも会話文もないのにこの本は何の役に立つんだろう?」とアリスは思いました》
《役に立つ》の方が自然と書いていましたが、
アリスはこの本についてどのように感じていたのでしょうか?
おそらくイラストも会話文もない本なので、
アリスのお姉さんは小難しい本を読んで勉強していたのかもしれません。
ですが、アリスは
童話ばかり読んでいそうな女の子(と私は想像しています…)。
そのくらいまだ幼いので(そういえばアリスって何歳なんでしょう?)、
『本は役に立つもの』というイメージよりも、
『本は読んでいて面白いもの、ワクワクするもの』
というイメージの方が強そうに思いました。
実際、アリスはお暇になって、
お姉さんの本を覗き込んでいます。
なので、『役に立つ本を期待していた』という『役に立つ』というのは、
『今こんなに暇なんだから、暇つぶしになるような内容』が
今のアリスにとって『役に立つ本』なのではないでしょうか?
なので、今回の意訳として、
`and what is the use of a book,’ thought Alice `without pictures or conversation?’
《「となると、イラストも会話文もないのにこの本の何が面白いんだろう?」とアリスは思いました》
と《役に立つかどうか》ではなく、
《面白いかどうか》で訳してしまうのも
良いのではないかと思います(∩´∀`)∩
私としてはこっちの訳の方がしっくりきますね(*´▽`*)
もしかしたらこれはアリスのイメージと全く合っていない可能性もあります。
その場合は、
「アリス性格変わっちゃったなぁ…」
と思いながら、読むのも楽しいのかもしれません…(・ω<) テヘペロ
そんなこんなでようやく長い一文が終わりましたっ!
最後に一文の訳を記載しておこうと思います(∩´∀`)∩
Alice was beginning to get very tired of sitting by her sister on the bank, and of having nothing to do: once or twice she had peeped into the book her sister was reading, but it had no pictures or conversations in it, `and what is the use of a book,’ thought Alice `without pictures or conversation?’
《アリスは土手でお姉さんと一緒に座っていることに飽き始めていました、何もやることもないんですもの。アリスは1、2度、お姉さんが読んでいる本を覗き込んでみたけれど、その本にはイラストも会話文も載っていませんでした。「となると、イラストも会話文もないのにこの本の何が面白いんだろう?」とアリスは思ったのです。》
次回もまた長い文章となりますので、
また区切りながら訳していこうと思います(´▽`;)ゞ
コメント
初めまして!
BBCEnglishlearningで不思議の国のアリスの朗読が始まり、和訳がなかったため検索していたらこちらのサイトに巡り会えました!!
英語の組み立て方とか表現の仕方とか本当にわかりやすく感激しております!
ただ和訳を載せるのではなく、前置詞がこれだからこうなんだよねーとか動詞がこうだからこうとか・・自分も一緒に考えながら和訳している気持ちになれるので凄く勉強になります。
これからじっくり読ませていただきます!